症例・・・セキセイインコ メス 7歳5か月齢  多数羽飼育  ミズキ

プロフィール・・・2歳時 右前腕骨折 外固定で治療:治癒

          3歳時 卵管炎? 1年を通して過発情あり

          7歳時 腹部膨満 エコー検査で複数シストと腹水の存在確認

                      レントゲン検査: 多発性過骨症、服壁の石灰沈着、卵巣,卵管 

                                  腫大? 腹水 肝臓腫大 

現症・・・4ヶ月前から腹壁穿刺で腹水除去:初回時は2.2ccだったが、ここ1か月は5~7日毎に8~11 cc除去 している。腹水を抜くと、動きが軽快になる。 今日もまた貯留してきたので、除去希望。食欲元気あり。

 

 

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腹水の為、お腹がぷっくり膨れています。腹水が多量に溜まると、横隔膜がない鳥類は呼吸器である気嚢や肺が圧迫され、呼吸困難になってしまいます。

 

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腹水を抜いています。あまり急激に抜くと、呼吸器系、循環器系の圧勾配が急に変化するため、

心臓に負担をかけてしまいます。ゆっくり、一定したスピードが大切です。

 

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除去した腹水は淡黄色透明のさらっとした液体です。

腹水は漏出性と滲出性に区別されます。癌性腹膜炎や内臓の炎症が重度で溜まってくる時は滲出性です。この場合は多くの炎症細胞や赤血球、時に腫瘍細胞が見られます。

ミズキの腹水は比重は低く、炎症細胞は殆ど見られません。したがって、漏出性であり、原因として

肝疾患が考えられます。

ミズキは以前よりエコー検査で卵胞のう腫と思われる多胞性シストを確認していますので、これが破れて腹腔に漏れ出ている疑いもあります。

 

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5か月前のレントゲン写真ですが、ホルモン異常から起こる多発性過骨症が見られ、石灰化が腹壁に見られます。腹部腫大があり、肝臓陰影が大きく外側に張り出し、砂時計陰影が消失しています。

卵巣、卵管疾患とともに、肝障害もありそうです。

 

治療は、総合ビタミン剤、強肝剤、利尿剤、抗生剤、呼吸を安定させる目的で定期的腹水除去を実施しています。

どこまで、コントロールできるか、ミズキには頑張ってほしいと思います。